10日で10%稼いだのに年換算利回りが3,142%?
計算が間違っているのではなく、2つの数字がまったく違う質問に答えているだけです。
同じ取引なのになぜ数字がこんなに違うのか
初期投資額と現在の評価額を入力しただけなのに、ROIは10%、年換算利回りは3,000%を超えるという結果を見て驚いたことがあるはずです。計算が間違っているのではなく、2つの数字がまったく違う質問に答えているだけです。
ROIは「今回の取引でいくら稼いだか」を示し、年換算利回りは「このペースが1年間続いたらいくらになるか」を示します。
ROIと年換算利回りはそれぞれ何を計算しているのか
ROI(投資収益率)は(現在の評価額-初期投資額)÷初期投資額×100で、保有期間に関係なく今回の取引で発生した純粋な収益率だけを示します。
年換算利回りはこれに保有期間を反映し、「この利回りのペースを365日間複利で続けたらいくらになるか」を計算します。
初期投資額1,000ドル、現在の評価額1,100ドル、保有期間10日:ROI=(1,100-1,000)/1,000×100=10%。年換算利回り=(1,100/1,000)^(365/10)-1≈3,142%。わずか10日で10%稼いだペースを1年間維持すると仮定すると、数学的にこの数字になります。
年換算利回りを見るときに注意すべきこと
①保有期間が短いほど歪みが大きくなる——わずか数日、数週間の利回りを年単位に引き伸ばすと、数字は指数関数的に膨らみます。上の例のように10日10%が年3,142%に見えるのが典型です。
②「繰り返し可能」という前提が隠れている——年換算利回りは、このペースがずっと繰り返されるという前提の上に成り立っています。実際に同じ利回りを1年間維持することはほぼ不可能です。
③短期間・一度きりの結果で全体を判断してはいけない——たまたま良かった一度の取引を根拠に、年換算の数値を目標のように扱うと、その後の実績に失望しやすくなります。
では、どの数字を見るべきか
単一の取引や短期間の成果を見るときは、ROIを基準に判断する方が現実的です。年換算利回りは、保有期間が十分に長い場合(最低でも数か月以上)や、複数の取引をまとめた成果を比較する場合により意味を持ちます。
例えば半年以上かけて着実に積み上げた利回りを年換算するのは合理的ですが、1〜2日の急騰を年換算して目標のように扱うのは意味がありません。
自分の投資額、現在の評価額、保有期間を入力して、ROIと年換算利回りをそれぞれ確認してみましょう。
計算機を使う →ここから何をすべきか
ROIも年換算利回りも、どちらも間違った数字ではありません。ただし、それぞれ異なる質問に答えているということを知らないと誤解につながります。
ROI計算機に初期投資額、現在の評価額、保有期間を入力し、2つの数字を一緒に確認してみましょう。特に年換算利回りが異様に大きく出ている場合は、まず保有期間が短いせいではないかを確認してください。