ナンピン、やるべきか、やめるべきか?
ナンピンは戦略にもなり得れば、損失を膨らませる習慣にもなり得ます。基準を知れば感情的な判断を避けられます。
なぜナンピンをしたくなるのか
価格が自分のエントリー価格を下回ると、本能的に浮かぶ考えは2つです。「損切りしよう」か「安くなったから追加で買って平均単価を下げよう」。後者がナンピンです。
問題は、ナンピンが「戦略」にもなり得るし、「損失を認めたくないための回避」にもなり得ることです。この2つを区別できないと、小さな損失が取り返しのつかない損失に膨らみます。
ナンピンとは正確には何か
ナンピン(平均取得単価の引き下げ)とは、すでに保有しているポジションに、より低い価格で追加購入し、平均取得単価を下げることを指します。平均単価が下がれば、同じ反発幅でも損益分岐点により早く到達できます。
しかし、追加購入した分だけ投入資金とポジションサイズも増えることを忘れてはいけません。平均単価を下げる代わりに、リスクエクスポージャーは大きくなる取引です。
1回目のエントリー:100ドルで1単位購入。価格が80ドルに下落し、2回目として80ドルで1単位追加購入すると、平均単価は(100+80)/2=90ドルになります。保有数量の合計は2単位、投入資金の合計は180ドルになります。
ナンピンをする前に必ず確認すべきこと
①下落の理由——単なるボラティリティによるものか、プロジェクトや市場そのものの根本的な問題によるものかを区別する必要があります。理由がわからないままナンピンするのは、根拠のない賭けです。
②追加で投入できる資金——すでに資産の大半を投入している状態でナンピンすると、次の下落を耐える資金がなくなります。
③あらかじめ決めた損切りライン——ナンピンをするとしても、「ここまで下がったら手仕舞う」というラインが必要です。ラインなしにナンピンを繰り返すと、損切りではなく全損で終わります。
この3つに答えられないなら、今はナンピンをする時ではなく、損切りを検討する時です。
DCA(分割購入)とナンピンは違います
決まった金額を決まった周期で定期的に購入するDCA(ドルコスト平均法)と、含み損のポジションに対応して追加購入するナンピンは、見た目は似ていても性質が異なります。DCAは価格に関係なく事前に決めた計画に従うものであり、ナンピンは価格下落という状況への反応です。
DCAは計画通りに実行すればよいのですが、ナンピンは毎回「今回も本当に根拠があるのか」を問い直す必要があります。この違いを理解していないと、感情的な追加購入を戦略的な分割購入だと錯覚しやすくなります。
ナンピンをすると決めたなら、感覚ではなく平均単価とリスクを先に計算してみましょう。
計算機を使う →ここから何をすべきか
ナンピン自体が悪いわけではありません。問題は、根拠なく、資金計画なく、損切りラインなく繰り返すことです。
次の購入を検討しているなら、実行前に平均取得単価計算機にエントリー価格と数量を入力し、平均単価と投入資金の合計がどう変わるかを確認しましょう。数字を見れば、この購入が戦略なのか回避なのかがずっと明確になります。